最終更新: 2026-09-07 ・ 約9分で読めます ・ クルマ生活 編集部

EV 重量税 2028 いくら|3ケース試算で最大15,000〜20,000円・施行スケジュールを解説

2028年(令和10年)5月1日から、EV・PHEVの車検時に自動車重量税の「特例加算分」が上乗せされます。 税率は令和9年度税制改正(2026年末見込み)で決定するため、2026年9月時点では「いくら」は未確定です。ただし大綱に「ガソリン車ユーザーの揮発油税等の平均的な負担額を踏まえる」と明記されているため、現行の重量税(本則税率)と同水準を試算の上限目安とすることができます。

制度の全体像(施行日・対象車・保有段階との違い)はEVの重量課税は2028年5月からで解説しています。本記事は「いくらか」の試算に特化します。

まず結論

項目内容
施行日2028年(令和10年)5月1日。同日以後に受ける車検から適用
税額未確定。令和9年度税制改正(2026年末見込み)で決定
試算の上限目安現行の重量税・本則税率と同水準(車検2年分)
PHEVの試算EVの2分の1が目安(大綱に明記)
新車・初回車検免除(特例加算分は課税されない)

EV重量税 2028年の試算3ケース

重要: 以下の試算はあくまで目安です。確定額は2026年末の令和9年度税制改正大綱で判明します。試算は「上限目安」として示しており、実際の税額はこれより低くなる可能性があります。

試算の根拠は環境省の令和8年度税制改正資料に示された方針です。

具体的な税率はユーザーが平均的に負担している揮発油税等の額を踏まえ、令和9年度税制改正において検討し、結論を得る。その際、平均的な重量を超える電気自動車等には応分の負担を求め、平均的な重量を下回る電気自動車等については過度な負担とならないよう配慮する。

「ガソリン車が揮発油税として負担している水準を踏まえる」という方針から、現行の自動車重量税・本則税率(ガソリン車が払っている額)を上限目安として試算します。

ケース1: 車両重量1,500kg以下(コンパクトカー・小型SUV相当)

日産リーフ・マツダCX-30 EV・ホンダe:Nなど、EV市場の中核帯。

試算上乗せ額(車検2年分)
現行の本則税率(比較基準)15,000円
うち現在EVに課されている分0円(エコカー免税)
2028年以降の上乗せ上限目安最大15,000円前後

ただし大綱は「平均的な重量を下回るEVについては過度な負担とならないよう配慮する」と明記しています。この「平均的な重量」の具体値は大綱では示されておらず、令和9年度税制改正で決まります。1,500kg以下は市販EVのなかでは軽い部類にあたるため、配慮規定が適用されれば上乗せ額は15,000円を下回る可能性があります。

ケース2: 車両重量2,000kg以下(大型SUV・ミニバン相当)

テスラModel 3(約1,800kg)・BYD ATTO3(約1,700kg)・日産アリア(約2,000kg)など。

試算上乗せ額(車検2年分)
現行の本則税率(比較基準)20,000円
うち現在EVに課されている分0円(エコカー免税)
2028年以降の上乗せ上限目安最大20,000円前後

市販EVの中心的な重量帯です。大綱の「平均的な重量を超える場合は応分の負担」という記述からすると、この帯が基準点付近になる可能性があります。上乗せ額が最も素直に「上限目安」に近づくゾーンです。

ケース3: PHEV(プラグインハイブリッド車)

トヨタRAV4 PHV・三菱アウトランダーPHEV・マツダCX-60 PHEVなど。

PHEVについては、大綱が次のように明記しています。

プラグインハイブリッド自動車に係る税率については、揮発油税等を一定程度負担していることから、電気自動車に係る税率の2分の1を目安として設定する。

EVの税額が決まれば、PHEVの上限目安も自動的に算出できます。

車両重量EV上限目安(車検2年分)PHEV目安(EV÷2)
1,500kg以下最大15,000円前後最大7,500円前後
2,000kg以下最大20,000円前後最大10,000円前後

PHEVはガソリンも使うため揮発油税を一部負担しており、その分が考慮されています。


試算数値の根拠まとめ

根拠内容
本則税率の単価2,500円/0.5t・年(自家用乗用車。財務省「自動車重量税の概要」)
本則税率(1.5t・2年)15,000円(2,500円 × 3 × 2年)
本則税率(2.0t・2年)20,000円(2,500円 × 4 × 2年)
EVの平均重量未公表。大綱にいう「平均的な重量」の具体値は令和9年度税制改正で示される
PHEVの税率目安EVの2分の1(令和8年度税制改正大綱に明記)
「上限」とした理由大綱は特例加算の税率を「ガソリン車についてユーザーが平均的に負担している揮発油税及び地方揮発油税の額を踏まえ」て決めるとしており、あわせて軽量帯への配慮規定があるため、現行の本則税率を上限として扱う

対象車と免除規定

対象車種

令和8年度税制改正大綱は、対象を次のように定めています。

自家用の乗用自動車(二輪の小型自動車を除く。)のうちEV・PHEV

  • 対象: EV(電気自動車)・PHEV(プラグインハイブリッド車)の自家用乗用車
  • 対象外(現時点): HV(外部充電なしのハイブリッド)・FCV(燃料電池車)・天然ガス車
  • 除外明示: 二輪の小型自動車(バイク類)

FCV・天然ガス車については大綱が「今後、検討する」としており、将来的に対象が広がる可能性があります。軽EVについては明示的な除外規定がないため対象に含まれると読めますが、軽量帯への配慮規定が適用される見込みです。

特例加算分の免除規定

この点は報道でほぼ触れられていませんが、大綱に明記されている重要な緩和措置です。

区分免除の有無実際の負担開始時期
新車(新規検査)免除最初の継続車検(新車から3年後)以降
既販車(施行後最初の継続車検)経過措置として免除最初の継続車検の次(2年後)以降

つまり:

  • 2028年5月以降に新車EVを購入した場合: 初回車検(3年後)は免除 → 実際の負担は2031年5月以降
  • すでにEVを所有している場合: 2028年5月以降の最初の車検は免除 → 実際の負担は2030年5月ごろ以降

2028年5月にいきなり「全員が払う」状態になるわけではありません。


いくらになる? 確定はいつ

スケジュール

時期内容
2026年12月ごろ令和9年度税制改正大綱が公表される見込み。このタイミングで具体的な税率が判明する
2027年税制改正法が国会で審議・成立(法制化)
2028年5月1日施行。同日以後の車検から特例加算が適用される
2030年5月ごろ既販車オーナーの特例加算が実際にかかり始めるタイミング(初回免除の次の車検)

現時点で言えること・言えないこと

言えること(大綱に明記):

  • 施行は2028年5月1日
  • 課税対象はEV・PHEVの自家用乗用車
  • PHEVの税率はEVの2分の1が目安
  • 重い車ほど高く、軽い車には配慮
  • 新車と初回車検は免除

言えないこと(2026年末まで未確定):

  • 具体的な税率・税額
  • 重量帯ごとの詳細な税率設計
  • 「平均的な重量」の具体的な数値
  • 軽量帯への配慮額(どこまで割り引くか)

EV・カーリースを検討している方へ

2028年以降のEV維持費が変わることは、カーリース選択にも影響します。リース期間中の税制変更リスクや、リース契約の途中解約の考え方についてはカーリース途中解約の仕組みと違約金の考え方で解説しています。

また、カーリースの審査基準や費用見直しのポイントについてはカーリース審査に落ちた場合の対処法も参考にしてください。


よくある質問

Q. 税額はいつわかりますか? A. 令和9年度税制改正大綱(2026年12月ごろ公表見込み)で判明します。それまでは「いくら」の確定値はありません。報道される試算はすべて推測です。

Q. 対象は2028年以降に買った新車だけですか? A. いいえ。施行日(2028年5月1日)以後に車検を受ける全てのEV・PHEVが対象です。ただし既販車は施行後最初の車検は経過措置として免除されます。

Q. 現在のエコカー免税はどうなりますか? A. エコカー減税(現在EVは免税)は2028年4月30日まで延長されています。特例加算の施行は2028年5月1日からで、タイミングが接続しています。なお、エコカー減税は特例加算分には適用されません(大綱に明記)。

Q. ハイブリッド車(HV)も対象になりますか? A. 現時点では対象外です。大綱の対象はEV・PHEVで、外部充電しない通常のHVは含まれていません。PHEVがEVの半額とされている理由(揮発油税を一定程度負担しているから)からも、HVは別扱いと読めます。


※本記事は令和8年度税制改正大綱で示された方針に基づいています。具体的な税率は令和9年度税制改正(2026年末見込み)で決定される予定であり、確定前の試算はあくまで目安です。内容は今後の改正で変わる可能性があります。

出典

  1. 環境省「令和8年度税制改正における自動車関係諸税(車体課税)の結果について」— EV・PHEVの重量税特例加算・免除規定・税率決定方針 (取得日: 2026-08-19)
  2. 国土交通省掲載「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)」— PHEVはEVの2分の1が目安・道路損傷との相関・FCV等の取扱い (取得日: 2026-08-19)
  3. 財務省「自動車重量税の概要」— 自家用乗用車の本則税率2,500円/0.5t・年(当分の間税率4,100円)。車両重量1.5t・継続車検2年で本則15,000円・当分の間24,600円 (取得日: 2026-09-01)
  4. 国土交通省「自動車重量税額について」— 継続検査時の税額照会サービス・エコカー減税の対象基準 (取得日: 2026-09-01)

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