最終更新: 2026-09-15 ・ 約10分で読めます ・ クルマ生活 編集部

EV 自動車税 重量課税 いつから いくら|2028年5月施行・PHEVはEVの1/2

このページの要点

  • いつから: 2028年(令和10年)5月1日施行の方針。実際に負担が始まるのは2030年5月ごろ(経過措置あり)
  • いくら: 税額は未定。2026年末(令和9年度税制改正大綱)で決定見込み
  • PHEVの目安: EVの税率の2分の1と大綱に明記済み
  • 緩和措置: 新車の新規検査分は免除。既販車も施行後最初の車検は免除

電気自動車(EV)への新たな課税は、2028年(令和10年)5月1日を施行日とする方針が令和8年度税制改正大綱で示されました。法制化は令和9年度税制改正で行われる予定です。税額はまだ確定していませんが、判明するのは2026年末、つまり今年12月ごろの見込みです。またPHEVについてはEVの2分の1が目安と大綱に明記されています。見落とされがちですが、新車と、既販車が施行後最初に受ける車検は免除されます。

まず結論

施行日は2028年5月1日、税額は2026年末に決定予定、PHEVはEVの2分の1が目安です。

項目内容
いつから2028年(令和10年)5月1日。同日以後に受ける車検から適用
対象自家用の乗用自動車のうちEV・PHEV(二輪の小型自動車を除く)
課税の形**自動車重量税の「特例加算分」**として車検時に徴収
税額未定。令和9年度税制改正(2026年末見込み)で決定。ただしPHEVはEVの2分の1が目安と明記済み
新車免除(新規検査に係る分)
既販車経過措置として、施行日以後最初に受ける継続車検は免除
エコカー減税適用されない(この特例分には)

出典:環境省「令和8年度税制改正における自動車関係諸税(車体課税)の結果について」

混同されやすい:実は2つの別制度がある

EVへの課税をめぐる報道は複数あり、まったく別の2つの措置が混ざって語られがちです。整理します。

①保有段階の課税②利用段階の課税
税目自動車税・軽自動車税(地方税)自動車重量税の特例加算(国税)
対象EV・FCVの乗用車EV・PHEVの自家用乗用車
適用の起点令和10年度以後に新車新規登録を受けた車令和10年5月1日以後に受ける車検
課税の基準車両重量に応じた課税方式車両重量に応じた一定の負担
税額未定(令和9年度改正で結論)未定(令和9年度改正で結論)

対象車種が違う点に注意してください。 ①はFCV(燃料電池車)が入りますがPHEVは入りません。②は逆にPHEVが入りFCVは入りません。

ただし②のFCV除外は恒久的なものではなく、大綱は「燃料電池自動車及び天然ガス自動車に係る同様の負担のあり方については、今後、検討する」としています。将来的に対象が広がる可能性があります。

また、営業用車両やバス・トラックについては「地域公共交通、物流等の分野において果たしている公共的な役割の重要性」を考慮し、令和9年度以降の税制改正で結論を得るとされています。今回の措置は自家用の乗用車が対象です。

①保有段階:EV・FCVの自動車税

環境省の資料は次のように記載しています。

令和10年度以後に新車新規登録を受けたEV・FCVの乗用車に対して車両重量に応じた課税方式を導入し、その具体的な税率等は自動車税・軽自動車税のあり方の検討と併せて令和9年度税制改正において結論を得る。その際、当該税率の平均的な水準については、EV・FCV以外の自動車における現行の平均税率と同水準とすることを基本とする。

つまり、ガソリン車などの現在の平均税率と同水準を目指すという方向性が示されています。EVだけが極端に高くなる想定ではありません。

これは増税というより現行扱いの見直しという性格を持ちます。EVは排気量を持たないため、現在は自家用乗用車の最低税率が一律で適用されています。大綱は「課税趣旨を踏まえた公平性の確保等の観点から、最低税率を一律に適用する現行の自動車税の取扱いを見直し」と説明しています。

なお、この①は「令和10年度以後の自動車税・軽自動車税のあり方」全体の検討の一部です。ガソリン車を含めて重量・環境性能に応じた仕組みが検討されており、EVだけの話ではありません

②利用段階:EV・PHEVの重量税特例加算

こちらが「EV重量税」と報じられている措置です。

利用段階における負担の適正化に向けた課税については、自家用の乗用自動車(二輪の小型自動車を除く。)のうちEV・PHEVに対し、車両重量に応じた一定の負担を求めることとする。具体的には、納税・徴税実務の簡素化のため、現行の重量税の特例加算分として車検時に徴収することとし、以下を内容とする仕組みを令和9年度税制改正において法制化する。

新しい税金を作るのではなく、既存の自動車重量税に上乗せする形にして、車検時にまとめて徴収する設計です。

なぜEVに課税するのか

理由はガソリン税との公平性です。

ガソリン車のドライバーは、給油のたびに揮発油税などを負担しています。一方EVはガソリンを使わないため、この負担が発生しません。EVが普及するほど、インフラ維持等の財源が減り、かつ同じ道路を使いながら負担に差がある状態になります。

環境省の資料も、税率の決め方について次のように述べています。

具体的な税率はユーザーが平均的に負担している揮発油税等の額を踏まえ、令和9年度税制改正において検討し、結論を得る。

つまり、ガソリン車が払っている揮発油税の平均額が税率の目安になります。

PHEVはEVの2分の1が目安

税額のうち、唯一すでに示されている数値がこれです。 大綱は次のように明記しています。

プラグインハイブリッド自動車に係る税率については、揮発油税等を一定程度負担していることから、電気自動車に係る税率の2分の1を目安として設定する。

PHEVはガソリンも使うため揮発油税を一部負担しており、その分が考慮される形です。EVの税額が決まれば、PHEVの目安も自動的に見えてきます。

重量で差がつく:重い車ほど高くなる

一律ではありません。環境省の資料は次のように配慮を明記しています。

その際、平均的な重量を超える電気自動車等には応分の負担を求め、平均的な重量を下回る電気自動車等については過度な負担とならないよう配慮する。

重量を基準にする理由も大綱に示されており、「重量と道路損傷との相関の度合を踏まえ」とされています。EVはバッテリーの分だけ重くなる傾向があるため、大型のEV・SUVほど負担が大きくなる設計です。

一方、軽量なEVへの配慮には別の理由が挙げられています。大綱は「電気自動車等の普及との両立や、軽量化に向けた技術開発や自動車ユーザーによる選択を後押しする観点から、過度な負担とならないよう配慮する」としています。

見落とされやすい2つの緩和措置

報道では「2028年5月から課税」と伝えられますが、緩和措置により実際の負担開始は2030年5月ごろになります。

緩和1:新車と初回車検は免除

これが最も見落とされている点です。

新車の新規検査に係る分は本特例分を免除。既販車については、経過措置として、施行日以後最初に受ける継続車検分を免除

つまり:

  • 2028年5月以降に新車のEVを買った人:購入時の新規検査では加算されません。自家用乗用車の初回車検は3年後なので、負担が始まるのは2031年5月以降です
  • すでにEVに乗っている人:2028年5月以降、最初の車検は免除されます。次の車検は2年後なので、負担が始まるのは最速でも2030年5月ごろです

2028年5月にいきなり課税が始まるわけではありません。 施行日はあくまで制度の開始日で、実際に誰かが最初に負担するのは2030年5月ごろからになります。

緩和2:エコカー減税は適用されない(=減税もされない)

異なる動力源間の税負担の公平性を実現する趣旨で設けることからエコカー減税は本特例分には適用しない

これは緩和ではなく注意点です。EVは通常の重量税ではエコカー減税で免税になりますが、この特例加算分には減税が効きません。「EVだからエコカー減税で0円」とはならない部分がある、ということです。

なお、エコカー減税自体は2028年(令和10年)4月30日まで延長されています。新特例の施行日である5月1日は、ちょうどその翌日にあたります。

今のEVオーナーがすべきこと

現時点で必要な準備はありません。 理由は3つです。

  1. 税額が決まっていないため、いくら備えるべきか計算できません
  2. 施行は2028年5月で、まだ1年9か月以上あります
  3. 施行後も最初の車検は免除されるため、実際の負担開始は2030年5月ごろとさらに先です

ただし、金額が判明するのは意外と早く、2026年末(今年12月ごろ)の令和9年度税制改正大綱の見込みです。それまでに報道される「試算」は推測にすぎない点に留意し、年末の大綱発表を待つのが確実です。

よくある質問

Q1. EVの重量課税はいつから始まりますか?

2028年(令和10年)5月1日施行の方針です。ただし新車の新規検査分と、既販車が施行後最初に受ける継続車検分は免除されます。そのため実際に誰かが最初に負担するのは2030年5月ごろになる見込みです。

Q2. 税額はいくらになりますか?

EVの税額はまだ決まっていません。令和9年度税制改正(2026年末見込み)で決定します。方向性としては、ガソリン車が負担している揮発油税等の平均額が目安とされています。

Q3. PHEVの税額はどうなりますか?

PHEVはEVの税率の2分の1が目安と大綱に明記されています。PHEVはガソリンも使うため揮発油税を一部負担しており、その分が考慮される形です。

Q4. ハイブリッド車(HV)も対象ですか?

重量税の特例加算の対象はEVとPHEVです。外部充電しない通常のハイブリッド車(HV)は対象として挙げられていません。

Q5. 軽のEVも対象ですか?

対象は「自家用の乗用自動車(二輪の小型自動車を除く)」とされており、明示的に除外されているのは二輪の小型自動車のみです。したがって軽の乗用EVも対象になると読めます。ただし車両重量に応じた負担であり、軽量な車には過度な負担とならないよう配慮するとされているため、負担は相対的に小さくなる見込みです。

Q6. 2028年5月に車検があります。すぐ課税されますか?

されません。既販車は経過措置として、施行日以後最初に受ける継続車検は免除されます。

Q7. 13年超の重課とは違いますか?

違います。13年超の重課は経年車を対象とした既存の制度です。詳しくは「自動車税は13年超でいくら上がる?」で解説しています。

※本記事は令和8年度税制改正大綱で示された方針に基づいています。具体的な税率および法制化の内容は令和9年度税制改正で決定される予定で、確定情報は2026年12月ごろの大綱公表で示される見込みです。現時点でEVの税額は公表されておらず、今後の改正で内容が変わる可能性があります。

出典

  1. 国土交通省掲載「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)」— PHEVはEVの2分の1が目安、FCV・天然ガス車は今後検討、道路損傷との相関 (取得日: 2026-07-31)
  2. 環境省「令和8年度税制改正における自動車関係諸税(車体課税)の結果について」— EV・PHEVの重量税特例加算、EV・FCVの自動車税課税方式 (取得日: 2026-07-31)
  3. 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」— 自動車関係諸税の総合的な見直し (取得日: 2026-07-31)

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