高速道路の本線上でメーターの警告灯が点いた——そんなとき、費用よりも先に「何をすればいいか」が知りたくなる。この記事では、JAFが合計額として公式に公表しているガス欠費用の唯一の実例と、一般道・高速道路で分岐する対応の流れを、2024年4月改定後の公式情報でまとめる。
このページの要点を先に伝える。
- JAFが合計額として公式に公表しているのは高速道路A料金・昼間の32,610円ただ1例。他は基本料表から編集部が算出した目安
- 対応の第一歩は一般道と高速道路で違う。高速道路は停止表示器材の設置と車両の退避が救援連絡より先
- JAF会員は基本料・作業料とも無料。実費負担は燃料代のみ(高速道路の通行料も会員は無料)で、非会員との差額は基本料・作業料だけで16,900円〜38,470円
- 現場でJAFに入会しても、その日のガス欠は非会員料金が適用される
JAFがガス欠の合計額として公式に公表しているのは「高速道路A料金・昼間の32,610円」ただ1例だけだ
JAFのガス欠(燃料切れ)救援費用は、**基本料+作業料+燃料代(実費)**の合算で決まる。基本料は道路種別・時間帯で6パターンに分かれる。高速道路では、これに加えてロードサービス車両・後方警戒車両の通行料も別途かかる場合がある。JAFは「工数0.1=1,200円」という作業工数表を公表しているが、燃料切れ給油作業そのものにどの工数が対応するかは明記していない。
JAFが合計額として公式に公表している例は1つだけだ。
高速道路(SA・PA以外)・昼間の燃料切れ給油作業:32,610円(燃料代・通行料は別途)
この記事では、公表されている32,610円という数字と、そこから編集部が逆算した目安を明確に分けて示す。
なお、この料金は2024年4月1日改定・2026年9月時点で有効なものだ。JAFが料金を改定した場合はこの記事も見直す。
ガス欠の対応フローは一般道と高速道路で最初の一歩が違う——高速では停止措置が救援連絡より先に来る
一般道路では、安全な場所に車を寄せてから連絡すればよい。しかし高速道路では、連絡より先にやるべきことがある。
| ステップ | 一般道路 | 高速道路 |
|---|---|---|
| 1. 安全確保 | ハザードランプを点灯し、路肩など安全な場所に車を寄せる | ハザードランプを点灯し、停止表示器材(三角表示板)を後方から見える位置に設置する |
| 2. 退避 | 車内または安全な場所で待機してよい | 車両を本線車道等の外へ移動するための措置を講じたうえで、運転者・同乗者はガードレールの外など安全な場所で待機する |
| 3. 連絡 | JAF(#8139・アプリ)または加入する任意保険のロードサービス窓口へ連絡 | 非常電話(本線1kmごと・トンネル内200mごとに設置)またはJAF(#8139)・保険会社へ連絡。危険が及ぶ場合は110番 |
| 4. 給油・再発進 | 係員による燃料の補給作業を受ける。支払い後に発進 | 同左 |
なお、道路緊急ダイヤル「#9910」は道路管理者への通報窓口で、NEXCOも非常電話が使えないときの故障・事故の通報手段として案内している。ただしJAF等のロードサービスを手配する窓口ではないため、給油の依頼は非常電話またはJAF(#8139)・任意保険のロードサービス窓口へ連絡する。
高速道路の運転者には、そもそも走行前にあらかじめ燃料・冷却水・オイルの量を点検し、不足によって走行できなくなることを防ぐための措置を講じる義務が道路交通法第七十五条の十で定められている。また、故障等で本線車道等を走行できなくなった場合は、停止表示器材で停止していることを表示し、当該自動車を本線車道等の外へ移動するため必要な措置を講じる義務が同法第七十五条の十一にある(表示の具体的な方法は道路交通法施行令第二十七条の六が定める)。反則金や点数の具体的な基準は個別の事案によって異なるため、この記事では金額・点数は挙げない。
これとは別に、JAFは「高速道路・自動車専用道路上は大変危険なので、サービスカーが到着するまで必ずガードレールの外など安全な場所で待つ」よう案内している。車両を移動させる法令上の義務とは別に、運転者・同乗者自身の安全確保として押さえておきたい。
非会員のガス欠費用は道路種別×時間帯で6パターンあり、公式公表値は1つだけだ
非会員がガス欠救援を依頼した場合の合計額(燃料代・高速道路の通行料は別途実費)を、道路種別×時間帯の6パターンで整理した。
| 区分 | 合計(燃料代・高速道路の通行料は別途実費) | 出典区分 |
|---|---|---|
| 一般道 昼間(8〜20時) | 16,900円 | 編集部算出(基本料15,700円+作業料1,200円) |
| 一般道 夜間(20〜8時) | 20,830円 | 編集部算出(基本料19,630円+作業料1,200円) |
| 高速・専用道 A料金 昼間 | 32,610円 | JAF公表値 |
| 高速・専用道 A料金 夜間 | 38,470円 | 編集部算出(基本料37,270円+作業料1,200円) |
| 高速・専用道 B料金(SA・PA内) 昼間 | 20,830円 | 編集部算出(基本料19,630円+作業料1,200円) |
| 高速・専用道 B料金(SA・PA内) 夜間 | 24,740円 | 編集部算出(基本料23,540円+作業料1,200円) |
JAFが合計額として公表しているのは高速道路A料金・昼間の32,610円のみです。それ以外は、32,610円から基本料31,410円を差し引いて作業料1,200円(工数0.1相当)を逆算し、同じ作業料を他の道路種別・時間帯にも当てはめた編集部算出の目安です。JAF公表の注記は「※サービスカー通行料・燃料代別途」であり、高速道路ではロードサービス車両・後方警戒車両の通行料も非会員は実費になります(会員は無料)。
この表から分かる通り、時間帯による差は3,910〜5,860円、道路種別(一般道↔高速道A料金)による差は15,710〜17,640円で、道路種別のほうが金額への影響は大きい。高速道路の場合はこれに通行料の実費も加わる。
JAF会員はガス欠救援の基本料・作業料とも無料で、実費負担は燃料代のみ。非会員との差額は16,900円〜38,470円
JAF会員がガス欠救援を依頼した場合、基本料は無料になる。作業料も無料だが、これはJAFの会員特典「工数0.5までの作業は無料」の範囲内に収まるためで、ガス欠給油作業は編集部算出で工数0.1相当にあたる。会員が負担するのは燃料の実費のみで、高速道路の通行料も会員は無料になる。
| 区分 | 非会員合計(燃料代・通行料は別途実費) | JAF会員(燃料代のみ実費・通行料は無料) | 差額(基本料+作業料) |
|---|---|---|---|
| 一般道 昼間 | 16,900円 | 0円 | 16,900円 |
| 一般道 夜間 | 20,830円 | 0円 | 20,830円 |
| 高速A 昼間 | 32,610円 | 0円 | 32,610円 |
| 高速A 夜間 | 38,470円 | 0円 | 38,470円 |
| 高速B 昼間 | 20,830円 | 0円 | 20,830円 |
| 高速B 夜間 | 24,740円 | 0円 | 24,740円 |
非会員との差額は道路種別・時間帯に応じて16,900円〜38,470円になる(基本料+作業料のみ。燃料代は会員でも実費負担で、非会員はこれに加えて高速道路の通行料も実費負担になる)。
なお、現場でJAFに入会しても、その日のガス欠救援は非会員料金が適用される。JAFの案内では、ロードサービスの現場で入会はできるが当該ロードサービス料金は会員扱いにはならず、仮会員証発行後の次回以降のロードサービスから会員料金が適用される。当日の費用を下げる目的での現場入会には効果がない点に注意したい。
3,000kg超の大型車でもガス欠なら救援対象になる——他のトラブルとは対象範囲が違う
JAFのロードサービスは、**車両重量3,000kg以下(最大積載量2,000kg以下)**の自動車・バイクが基本の対象範囲だ。これを超える大型バス・トラックについては、キーの閉じ込め・燃料切れ(ガス欠)のみ対応する限定的なサービスになる。バッテリー上がりやパンクなど他のトラブルとは対象範囲の扱いが異なる点を押さえておきたい。
立ち往生がレッカー移動レベルなら別記事、保険を先に確認したいなら別記事に答えがある
ガス欠と判断して連絡しても、実際には「エンジンが再始動しない」「燃料以外の故障が疑われる」というケースもある。この場合はレッカー(けん引)が必要になり、費用構造もガス欠救援とは別物になる。距離・時間帯別のレッカー費用の詳細はJAF レッカー 費用 非会員 夜間 距離別で解説している。
また、ガス欠は任意保険付帯のロードサービスでカバーされる場合もある。ただし多くの保険会社はガス欠を「保険期間中1回のみ無料」などの回数制限を設けている。JAFと任意保険のどちらを先に呼ぶべきか、年間コストで比較した内容はロードサービス 費用 JAF 保険 比較を参照してほしい。
よくある質問
Q1. JAFのガス欠救援はいくらかかりますか?
JAFが合計額として公式に公表しているのは、高速道路A料金・昼間の32,610円(燃料代・通行料は別途)ただ1例です。それ以外の道路種別・時間帯の組み合わせは、32,610円から逆算した作業料1,200円を他のパターンにも当てはめた編集部算出の目安で、16,900円〜38,470円の範囲になります。いずれも燃料代・高速道路の通行料(非会員のみ)は別途実費です。
Q2. 高速道路でガス欠したらまず何をすればいいですか?
まずハザードランプを点灯し、停止表示器材(三角表示板)を後方から見える位置に設置します。次に車両を本線車道等の外へ移動するための措置を講じ、運転者・同乗者はガードレールの外など安全な場所で待機します。その後、非常電話またはJAF(#8139)・保険会社へ連絡します。連絡よりも安全確保と退避が先です。なお、道路緊急ダイヤル「#9910」は道路管理者への通報窓口で、非常電話が使えないときの故障通報にも使えますが、JAFなどのロードサービスを手配する窓口ではないため、給油の依頼はJAF(#8139)または保険会社へ連絡してください。
Q3. 一般道でガス欠したときの対応の流れを教えてください
ハザードランプを点灯して路肩など安全な場所に車を寄せ、その場でJAF(#8139・アプリ)または加入する任意保険のロードサービス窓口へ連絡します。係員による燃料の補給作業を受け、支払い後に発進する流れです。
Q4. JAF会員ならガス欠の費用は無料になりますか?
基本料は無料になります。作業料も、JAFの会員特典「工数0.5までの作業は無料」の範囲内(ガス欠給油作業は編集部算出で工数0.1相当)のため無料です。ただし燃料の実費は会員でも自己負担です。非会員との差額(基本料+作業料)は道路種別・時間帯に応じて16,900円〜38,470円になります。
Q5. 現場でJAFに入会すればガス欠の費用は安くなりますか?
安くなりません。JAFの案内では、ロードサービスの現場で入会はできますが、その回のロードサービス料金は会員扱いにはなりません。会員料金になるのは仮会員証発行後、次回以降のロードサービスからです。
Q6. 高速道路でのガス欠は違反になりますか?
道路交通法第七十五条の十は、高速道路の運転者に対し、走行前にあらかじめ燃料の量などを点検し、不足による走行不能を防ぐための措置を講じる義務を定めています。高速道路上でのガス欠はこの義務との関係で問題になり得ますが、反則金や点数の具体的な基準は個別の事案によって異なるため、詳細は警察庁や管轄の警察に確認することをおすすめします。
まとめ|公式公表値は1例のみ、対応は一般道と高速道路で最初の一歩が違う
JAFがガス欠救援の合計額として公式に公表しているのは、高速道路A料金・昼間の32,610円だけだ。他の道路種別・時間帯は、この金額から逆算した作業料を当てはめた編集部算出の目安として捉えておきたい。高速道路では通行料の実費も別途かかる場合がある。
対応の流れは一般道と高速道路で異なる。高速道路では、停止表示器材の設置と車両・自身の退避が救援連絡よりも先に来る。車両を本線車道等の外へ移動するための措置は道路交通法上の義務でもあり、ガードレール外での待機はJAFの安全案内だ。
JAF会員なら基本料・作業料は無料で、実費負担は燃料代のみだ(高速道路の通行料も会員は無料、非会員は実費)。ただし現場での入会は当日の費用には反映されない点も押さえておきたい。
レッカーが必要なケースの費用や、任意保険との比較を詳しく知りたい場合は、それぞれの詳細記事も参照してほしい。