最終更新: 2026-08-20 ・ 約10分で読めます ・ クルマ生活 編集部

OBD車検の対象かどうかは、車検証の備考欄に「OBD検査対象」と記載があるかどうかで判断できます。国産車は令和3年(2021年)10月1日以降の新型車(フルモデルチェンジ車)、輸入車は令和4年(2022年)10月1日以降が対象です。また、OBD車検の対象外の車を含む全車両に、令和3年10月から一律400円の技術情報管理手数料が追加されています。

この記事では、対象車の判定条件・車検証の備考欄の確認手順・追加400円の仕組みを、国交省・NALTECの一次情報をもとに解説します。


まず結論:OBD車検の早見表

対象車の判定条件

区分対象になる新型車の起算日車検への適用開始
国産車令和3年(2021年)10月1日以降のフルモデルチェンジ車令和6年(2024年)10月1日以降の車検から
輸入車令和4年(2022年)10月1日以降のフルモデルチェンジ車令和7年(2025年)10月1日以降の車検から

除外される車種:大型特殊自動車、二輪自動車(側車付二輪含む)、被牽引自動車

費用の追加分

手数料名金額対象根拠
技術情報管理手数料一律400円全車両(OBD対象外も含む)道路運送車両法関係手数料令

ポイント:400円はOBD車検の「対象外」の旧い車にも徴収されます。令和3年(2021年)10月1日から導入済みで、すでに車検を受けた方は支払い済みの手数料です。


OBD車検とは何か

OBD(On-board Diagnostics)は車両に搭載された車載式故障診断装置のことです。自動ブレーキや車線維持支援などの先進安全装置は電子制御で動いており、目視や従来の機械的な点検では内部の故障を検出できません。

OBD車検では、検査員が専用のスキャンツールをOBDポートに接続し、故障コード(DTC: Diagnostic Trouble Code)を読み取ることで電子制御装置の状態を確認します。令和元年(2019年)5月に成立した道路運送車両法改正(令和元年法律第14号)によって制度の根拠が整備され、技術情報管理体制の構築が進められてきました。


自分の車が対象かどうか:車検証備考欄の確認手順

最も確実な確認方法は、手元の車検証(自動車検査証)を見ることです。

紙の車検証の場合

  1. 車検証の右下あたりにある「備考」欄を探す
  2. 備考欄に「OBD検査対象」または「OBD検査対象車」という文言があるか確認する
  3. 記載がある場合は対象車。記載がない場合は対象外

電子車検証(ICカード)の場合

令和5年(2023年)1月から電子車検証が導入されており、記載情報の一部がICチップに格納されています。

  1. 電子車検証読み取りアプリ(国交省が無料提供)をスマートフォンにインストールする
  2. ICチップにスマートフォンをかざして情報を読み取る
  3. 表示された情報の中に「OBD検査対象」の記載があるか確認する

車検証で判断できない場合

車検証を紛失した場合や記載が判読しにくい場合は、以下の方法でも確認できます。

  • 型式一覧表で確認:NALTECのOBD検査ポータル(obd.naltec.go.jp)で公開されている「OBD検査対象車型式一覧」(Excel形式、令和8年5月31日時点版が最新)と型式を照合する
  • ディーラー・整備工場に確認:車台番号をもとに正確な情報を調べてもらえる

対象車でも「OBD検査が不要」になる例外条件

車検証の備考欄に「OBD検査対象」と記載されていても、以下の両方に当てはまる期間中は、OBD検査を受けなくてよいとされています(令和6年10月1日時点の制度)。

  1. 型式指定年月日から2年を経過していない
  2. 初度登録年月の前月から起算して10か月を経過していない

この2つは「かつ(AND)」の条件です。どちらか一方だけに当てはまっても例外にはなりません。新型車が出たばかりの時期に購入した新車で、かつ初回車検が早い時期に当たる場合に対象外となるケースがあります。自分の車が例外に当たるかどうかは、ディーラーや整備工場に確認するのが確実です。


OBD検査の流れと追加費用400円の仕組み

検査の流れ

通常の車検と同じ工程に、OBD検査が追加されるイメージです。手順は以下の通りです。

1. 事前準備

  • 車のOBDポート(データリンクコネクタ)の周辺を確認する
  • OBDポートは通常、運転席下部のハンドル付近にある差し込み口
  • ドライブレコーダーやOBDポートに挿している機器(燃費計・GPS等)があれば事前に取り外す

2. スキャンツールの接続

  • 検査員が専用のスキャンツール(検査用診断機)をOBDポートに接続する
  • ツールが車のECU(電子制御ユニット)と通信し、故障コードを読み取る

3. 判定

  • 故障コードが検出されなければ「合格」
  • 特定DTC(合否判定に使う故障コード)が検出された場合は「不合格」となり、修理が必要

4. 修理・再検査

  • 不合格の場合、原因の修理後に再検査を受ける
  • OBD検査は従来の56項目の法定点検を置き換えるものではなく、追加される検査

技術情報管理手数料400円とは

令和3年(2021年)10月1日から、全ての車両の車検時に一律400円が追加されています。正式名称は「技術情報管理手数料」で、NALTEC(独立行政法人自動車技術総合機構)に支払う法定手数料です。

根拠法令:道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第102条および道路運送車両法関係手数料令(昭和26年政令第255号)

使途

  • 自動車メーカーが提供する故障診断情報の管理
  • 全国の車検場・整備工場が利用するOBD情報システムの運用
  • 軽自動車検査協会等が利用する情報システムの運用

OBD対象外の旧い車も払う理由:OBD検査の直接対象でない車両についても、情報システムの整備・運用は社会全体の安全性向上に寄与するとして一律に課せられています。先進安全装置による事故低減の恩恵は、間接的にすべての道路利用者が受けると考えられているためです。

費用の全体像(目安)

OBD車検によって車検費用が大きく変わるわけではありません。主な費用構成は以下の通りです。

費用の種類内容金額
技術情報管理手数料法定手数料(NALTEC)400円(全車一律)
自動車検査手数料法定手数料(車検場)車種・方式により異なる
自賠責保険料法定費用車種・期間により異なる
重量税法定費用重量・年式により異なる
点検・整備費用整備工場による整備工場により異なる
OBD修理費用故障検出時のみ内容による

OBD車検で確定している追加費用は400円のみです。故障が検出されなければ、修理費用は発生しません。


車検費用を節約したい方へ

車検全体の費用を抑えるコツは別記事でまとめています。

また、車検のたびに費用を気にしたくない場合は、車検費用込みのカーリースを検討する方法もあります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 2020年式の国産車はOBD車検の対象ですか?

対象外です。国産車の対象は「令和3年(2021年)10月1日以降のフルモデルチェンジ車」であるため、2020年式(令和2年)の車両は対象になりません。ただし、400円の技術情報管理手数料は2021年10月以降の車検からすべての車で発生しています。

Q2. 車検証の備考欄に「OBD検査対象」の記載がありません。何か問題がありますか?

対象外の車であれば問題ありません。2021年9月以前の新型車や、対象除外車種(二輪・大型特殊等)の場合、備考欄への記載はありません。

Q3. OBD検査で故障コードが出たら、その場で修理しなければなりませんか?

その場での修理は必須ではありませんが、故障が確認された状態で「合格」とはなりません。修理後に再検査を受ける必要があります。なお、故障コードの種類によっては車検の合否判定に使われない「特定DTC以外のコード」もあり、すべての故障コードが不合格につながるわけではありません。詳しくは受検予定の整備工場に確認してください。

Q4. OBDポートに差しているドライブレコーダーは外す必要がありますか?

はい。OBDポート(データリンクコネクタ)に差し込んだ機器があると、スキャンツールが正しく接続できない場合があります。車検の際は、OBDポートに挿している機器(ドライブレコーダー・燃費計・GPS発信機等)を事前に取り外してください。


まとめ

  • 対象車の確認は車検証の備考欄で「OBD検査対象」の有無を見るのが最速
  • 国産車は令和3年(2021年)10月以降のフルモデルチェンジ車、輸入車は令和4年(2022年)10月以降が対象
  • 全車に一律400円の技術情報管理手数料が追加(令和3年10月から)。これ以外にOBD検査固有の費用は、故障が検出されない限り発生しない
  • OBDポートに機器を差している場合は、車検前に取り外しておく

機関URL確認内容取得日
国土交通省https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_OBD_user.html対象車種・施行日・検査の流れ2026年8月20日
国土交通省https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_OBD.html根拠法令(道路運送車両法関係手数料令)2026年8月20日
NALTEC OBD検査ポータルhttps://www.obd.naltec.go.jp/about/対象車種の定義・例外条件・車検証備考欄の記載2026年8月20日
軽自動車検査協会FAQhttps://www.keikenkyo-faq.jp/category06/category06-01/inport-142/技術情報管理手数料400円の内容2026年8月20日

出典

  1. 国交省ユーザー向けOBD検査説明ページ。対象車種・施行日・検査の流れを確認 (取得日: 2026-08-20)
  2. NALTEC OBD検査ポータル。対象車種の定義・例外条件・車検証備考欄の記載内容を確認 (取得日: 2026-08-20)
  3. 軽自動車検査協会FAQ。技術情報管理手数料400円の内容を確認 (取得日: 2026-08-20)
  4. 国交省OBD検査制度ページ。根拠法令(道路運送車両法関係手数料令)を確認 (取得日: 2026-08-20)

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