環境性能割 廃止はいつから?2026年4月以降の中古車への影響を解説
結論: 自動車税環境性能割は 2026年3月31日に廃止されました。2026年4月1日以降に登録した中古車は課税ゼロです。中古車を購入しても「取得価額×最大3%」の税負担がなくなり、数万円の節約につながります。
目次
- 環境性能割とは何か(2019年〜2026年)
- 廃止日と根拠法令
- 廃止前の税率表(取得価額×燃費基準別)
- 中古車への計算方法と残価率
- 廃止前後の税負担比較表
- 「登録日」で課税が決まる:よくある誤解
- 廃止後も続く自動車関連の税制
- FAQ
環境性能割とは
環境性能割は、自動車を取得(購入・贈与・リース)したときに一度だけ課される地方税です。2019年10月1日に「自動車取得税」の廃止と同時に導入されました。
- 課税主体: 都道府県(普通車・小型車)、市区町村(軽自動車)
- 課税タイミング: 取得時(登録・届出時)の一度のみ
- 課税対象: 新車・中古車を問わず取得価額が50万円を超えるもの
- 税率の決まり方: 車の燃費性能(2030年度燃費基準の達成度)に応じて0〜3%
長年、自動車業界・ユーザーから「消費税との二重課税」として廃止を求める声が上がっており、米国関税措置による国内自動車産業への影響緩和も重なり、令和8年度税制改正で廃止が決定しました。
廃止日と根拠法令
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 廃止日 | 2026年(令和8年)3月31日 |
| 廃止後の適用 | 2026年4月1日以降に登録・届出された車両は課税なし |
| 根拠法令 | 地方税法の一部を改正する法律(令和8年改正)2026年3月31日参議院本会議にて可決・成立 |
| 方針決定 | 令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定) |
判定基準は「登録日」であり、「売買契約日」や「納車日」ではありません。
出典: 東京都主税局「自動車税環境性能割及び軽自動車税環境性能割は廃止されました」(2026-08-18取得)
URL: https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/automobiles/kankyou/abolition
廃止前の税率表
廃止直前(2025年4月1日〜2026年3月31日)に適用されていた税率です。
自家用乗用車(普通車・小型車)
| 2030年度燃費基準の達成度 | 税率 |
|---|---|
| 95%以上達成 | 0%(非課税) |
| 90%以上95%未満 | 1% |
| 85%以上90%未満 | 1% |
| 80%以上85%未満 | 2% |
| 75%以上80%未満 | 2% |
| 70%以上75%未満 | 3% |
| 70%未満 | 3% |
自家用軽自動車
| 2030年度燃費基準の達成度 | 税率 |
|---|---|
| 所定の基準以上(非課税区分) | 0%(非課税) |
| 中間区分 | 1% |
| 未達成 | 2% |
営業用車両
| 区分 | 最高税率 |
|---|---|
| 営業用乗用車 | 最大2% |
| 営業用軽乗用車 | 最大2% |
取得価額が50万円以下の場合は、燃費基準に関わらず非課税(免税点)。
出典: おとなの自動車保険「【2026年3月31日廃止】環境性能割とは?」(2026-08-18取得)
URL: https://www.sompo-direct.co.jp/otona/oshiete/car/acquisitiontax-abolished.html
中古車への計算方法と残価率
中古車の環境性能割は、新車と異なり「経過年数に応じた残価率」を取得価額に掛けて計算していました。
計算式(廃止前):
課税標準額 = 新車時の課税標準基準額 × 残価率
税額 = 課税標準額 × 税率
自家用乗用車(耐用年数6年)の残価率の例(総務省規定値):
| 経過年数 | 残価率 |
|---|---|
| 1年 | 0.681 |
| 2年 | 0.464 |
| 3年 | 0.316 |
| 4年 | 0.215 |
| 5年 | 0.146 |
| 6年以上 | 0.100 |
例: 新車時の課税標準基準額200万円の車を経過3年で取得した場合
課税標準額 = 200万円 × 0.316 = 63.2万円
税率3%の場合: 63.2万円 × 3% = 約1.9万円(2026年3月31日以前の取得)
2026年4月1日以降の登録: 0円
廃止前後の税負担比較表
以下はすべて自家用乗用車・税率3%(燃費未達成車)で試算した目安です。実際の税額は燃費基準の達成度・経過年数・オプション価格によって異なります。
新車の場合(廃止前後)
| 車両本体価格(目安) | 課税標準額(約90%換算) | 廃止前の税額(税率3%) | 廃止後(2026年4月〜) |
|---|---|---|---|
| 100万円 | 90万円 | 約2.7万円 | 0円 |
| 150万円 | 135万円 | 約4.1万円 | 0円 |
| 200万円 | 180万円 | 約5.4万円 | 0円 |
| 300万円 | 270万円 | 約8.1万円 | 0円 |
| 500万円 | 450万円 | 約13.5万円 | 0円 |
中古車の場合(廃止前後)
経過3年・残価率0.316・税率3%で試算:
| 新車時課税標準(目安) | 中古時の課税標準額 | 廃止前の税額 | 廃止後 |
|---|---|---|---|
| 150万円 | 約47.4万円 | 0円(50万円以下非課税) | 0円 |
| 200万円 | 約63.2万円 | 約1.9万円 | 0円 |
| 300万円 | 約94.8万円 | 約2.8万円 | 0円 |
| 400万円 | 約126.4万円 | 約3.8万円 | 0円 |
ポイント: 中古車は経過年数が長いほど課税標準が低くなるため、税額自体は新車より少ない場合が多いです。ただし、廃止後はいずれもゼロになります。
登録日で課税が決まる
環境性能割の課税・非課税の判断基準は「登録日(届出日)」です。以下の点に注意が必要です。
- 売買契約日が2026年3月中でも、登録が4月1日以降なら課税なし
- 納車日ではなく、運輸支局での登録完了日が基準
- 3月末ギリギリの登録は混雑による遅れに要注意(ディーラーが3月中に売上計上したくて登録を急ぐケースがある)
廃止前後(2026年3月〜4月)に中古車を購入する場合、登録日を4月1日以降にすることを販売店と事前に確認することが、税負担ゼロにする唯一の方法でした。
廃止後も続く自動車関連の税制
環境性能割は廃止されましたが、以下の制度は継続または延長されています。
| 制度 | 状況 | 期限 |
|---|---|---|
| 自動車重量税のエコカー減税 | 継続・延長 | 2028年4月30日まで |
| 自動車税・軽自動車税のグリーン化特例 | 継続・延長 | 2028年3月31日まで |
| 自動車税(種別割) | 名称変更のみで継続 | 廃止なし |
また、2026年度税制改正で「自動車税種別割」は名称が「自動車税」に改められています(実態は変わらず)。
関連記事: エコカー減税 2026 基準引き上げ 対象外
FAQ
Q1. 中古車を2026年4月以降に購入したら本当に環境性能割はゼロ?
はい。2026年4月1日以降に運輸支局で登録(普通車の場合)または市区町村への届出(軽自動車の場合)が完了した車両は、新車・中古車を問わず環境性能割は課税されません。廃止が法定されているため、販売店の対応に関係なく税額はゼロです。
Q2. 2026年3月末以前に取得した中古車を4月以降に名義変更したらどうなる?
名義変更(移転登録)時の「取得」が課税対象となります。元の取得日ではなく、名義変更の登録日が判断基準です。したがって、2026年4月1日以降に名義変更した中古車は環境性能割ゼロになります。
Q3. 廃止になった今、中古車購入時の諸費用は何が残る?
環境性能割がなくなっても、以下の費用は引き続きかかります。
- 自動車重量税(車検時に納付、エコカー減税対象あり)
- 自動車税(種別割)(毎年課される保有税)
- 登録費用・手数料(運輸支局に支払う印紙代など)
- 消費税(車両本体価格・オプション価格に10%)
環境性能割の廃止で消費税との「二重課税」問題は解消されましたが、消費税そのものはなくなりません。
Q4. カーリースで中古車を利用する場合も廃止の恩恵を受けられる?
カーリースの場合、登録はリース会社名義で行われます。2026年4月1日以降にリース会社が登録した車両であれば、環境性能割の負担がなくなり、月々のリース料に反映される可能性があります。ただし、リース料への反映タイミングや条件は各社に確認してください。
まとめ
- 環境性能割は2026年3月31日廃止(根拠: 地方税法の一部を改正する法律・令和8年改正)
- 2026年4月1日以降の登録分から新車・中古車問わず課税ゼロ
- 廃止前は取得価額×最大3%(燃費基準未達成の場合)が課税されていた
- 中古車は取得価額×残価率×税率で計算されていたが、取得価額50万円以下は非課税だった
- 課税・非課税の判断基準は「登録日」(売買契約日・納車日ではない)
- エコカー減税など他の自動車関連税制は継続中
関連記事