ガソリン暫定税率の廃止でいくら安くなったか、結論から言うと1リットルあたり25.1円(消費税効果を含めると約27.6円)の値下がりです。年間1万km走る一般的なガソリン車なら、燃費15km/Lとして年間約18,400円の節約になります。軽油は2026年4月1日に暫定税率17.1円が廃止され、合わせて恩恵が出ています。
まず結論: 廃止前後の税額早見表
| 項目 | 廃止前 | 廃止後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 揮発油税(ガソリン) | 48.6円/L | 24.3円/L | −24.3円 |
| 地方揮発油税(ガソリン) | 5.2円/L | 4.4円/L | −0.8円 |
| ガソリン税計 | 53.8円/L | 28.7円/L | −25.1円 |
| 消費税効果(10%) | 約5.4円/L | 約2.9円/L | 約−2.5円 |
| 税負担軽減合計 | — | — | 約27.6円/L |
| 軽油引取税(軽油) | 32.1円/L | 15.0円/L | −17.1円 |
- ガソリン暫定税率廃止: 2025年12月31日
- 軽油引取税暫定税率廃止: 2026年4月1日
25.1円/L削減の計算式と根拠
「暫定税率」とは何だったか
ガソリンにかかる揮発油税・地方揮発油税には、本則税率と**暫定税率(当分の間税率)**の2層構造がありました。
| 税目 | 本則税率 | 暫定税率上乗せ分 |
|---|---|---|
| 揮発油税 | 24.3円/L | +24.3円/L |
| 地方揮発油税 | 4.4円/L | +0.8円/L |
| 合計 | 28.7円/L | +25.1円/L |
1974年に道路整備の財源として「一時的な措置」として導入されたにもかかわらず、約51年間にわたり延長が繰り返されてきました。2010年度以降は「当分の間税率」と名称を変えて事実上の恒久財源となっていましたが、2025年の参院選で与党が過半数割れし、野党主導の廃止議論が実現しました。
法案成立の経緯
- 2025年11月5日: 与野党6党の実務者協議で廃止合意
- 2025年11月28日: 「租税特別措置法及び東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律」が参院本会議で全会一致可決
- 2025年12月31日: ガソリン暫定税率25.1円/L 廃止
- 2026年4月1日: 軽油引取税暫定税率17.1円/L 廃止(軽油は都道府県税のため3か月遅れ)
消費税を含めた実質削減額
ガソリン税は消費税の課税対象(税金への課税=「税の二重課税」構造)です。暫定税率25.1円/Lが外れると、消費税の課税ベースも下がります。
消費税効果 = 25.1円 × 10% ≒ 2.5円
合計削減額 = 25.1円 + 2.5円 = 約27.6円/L
価格への反映は税率変更そのものによるものであり、原油価格や為替変動とは独立した効果です。
補助金終了との関係(実際の店頭価格について)
2025年12月末まで、政府は段階的に燃料補助金を増額していました(11月13日15円→11月27日20円→12月11日25.1円)。2025年12月30日に補助金が終了し、2025年12月31日に暫定税率が廃止されたため、店頭価格は2025年12月末の水準からほぼ横ばいで移行しました。
ただし2026年2月末にイラン情勢急変による原油高騰が発生し、全国平均が一時190.8円/Lまで上昇しました。政府は2026年3月19日出荷分から緊急補助金を再開し、2026年8月時点で補助金(42.6円/L規模)によって価格を抑えている状況です。「思ったより安くならない」という感覚は、この原油高・補助金の複合要因によるものです。
年間給油費の節約試算
燃費・走行距離別に「暫定税率廃止による純粋な節約額(27.6円/L換算)」を試算します。原油価格変動分は含まず、税制変更のみの効果です。
燃費別の年間給油量
| 燃費 | 年間5,000km | 年間10,000km | 年間15,000km |
|---|---|---|---|
| 10km/L | 500L | 1,000L | 1,500L |
| 15km/L | 333L | 667L | 1,000L |
| 20km/L | 250L | 500L | 750L |
年間節約額(27.6円/L × 給油量)
| 走行距離 \ 燃費 | 10km/L | 15km/L | 20km/L |
|---|---|---|---|
| 年間5,000km | 約13,800円 | 約9,200円 | 約6,900円 |
| 年間10,000km | 約27,600円 | 約18,400円 | 約13,800円 |
| 年間15,000km | 約41,400円 | 約27,600円 | 約20,700円 |
[計算例] 年間10,000km走行・燃費15km/L の場合:
年間給油量 = 10,000km ÷ 15km/L ≒ 667L
年間節約額 = 667L × 27.6円 ≒ 18,400円
月額換算 ≒ 1,530円/月
政府・民間の試算では「1世帯年間12,000円〜15,500円の負担軽減」とされており、上記の計算と整合します。
軽油引取税の暫定税率廃止(2026年4月1日)
ディーゼル車・トラック・農機具などに使う軽油は、都道府県税である「軽油引取税」が課税されます。
廃止前後の税額
| 廃止前 | 廃止後(2026年4月1日〜) | |
|---|---|---|
| 本則税率 | 15.0円/L | 15.0円/L |
| 暫定税率 | 17.1円/L | 廃止 |
| 合計 | 32.1円/L | 15.0円/L |
| 削減額 | — | −17.1円/L |
ガソリンとの廃止時期のずれ
軽油引取税は都道府県税(地方税)であるため、地方自治体の財政年度・システム対応への配慮から、ガソリン(2025年12月31日)より約3か月遅れの2026年4月1日に廃止が設定されました。
廃止前も2025年11月27日から補助金が暫定税率相当の17.1円まで引き上げられていたため、廃止日をまたいでも店頭価格の変化は小幅でした。
軽油の年間節約試算
消費税効果を含めると軽油は約18.8円/L(17.1円 × 1.10)の削減効果です。
| 年間使用量 | 年間節約額 |
|---|---|
| 500L(乗用ディーゼル・年間15,000km相当) | 約9,400円 |
| 1,000L(商用バン等) | 約18,800円 |
| 5,000L(大型トラック等) | 約94,000円 |
物流・運送業への恩恵は特に大きく、大型トラック1台で月に2,000L消費する場合、月間約34,200円のコスト削減になります。ただし、今後導入が議論される走行距離課税が実現した場合、長距離走行車ほど相殺される可能性があります。
FAQ
Q1. ガソリン代が「思ったより下がっていない」のはなぜ?
暫定税率の廃止(25.1円/L削減)と同時に燃料補助金も終了したため、廃止前後で店頭価格はほぼ横ばいで移行しました。さらに2026年2〜3月に原油価格が急騰したため、暫定税率廃止の恩恵が実感しにくい状況になっています。政府は緊急補助金を再開しており、2026年8月時点も補助金で価格を抑えています。廃止による節約効果は「原油価格が同じなら27.6円/L安くなる」という税制上の変化であり、現実の店頭価格は別途変動します。
Q2. 廃止前に満タンにしておくべきだった?
暫定税率廃止のタイミングでの「駆け込み給油」は、補助金との関係で実益は限定的でした。廃止前には補助金が25.1円まで拡充されており、廃止後も実質的な価格帯は維持されたため、廃止直前・直後で大きな価格差は生じませんでした。
Q3. 暫定税率が廃止されても消費税は払うの?
はい、消費税は引き続きかかります。ただし、課税対象となる「ガソリン本体価格+税金」の合計が下がるため、消費税額も約2.5円/L減少しています。廃止後のガソリン1Lにかかる税金の内訳は、揮発油税24.3円+地方揮発油税4.4円+石油石炭税2.8円=31.5円の本体側税金と、それらを含む合計に10%の消費税です。
Q4. EVや電動車には関係ある?
EVはガソリンを使わないため、暫定税率廃止の直接的な恩恵はありません。ただし、暫定税率廃止後の道路財源不足を補う観点からEV重量税(2028年施行予定)の導入議論が進んでいます。また、走行距離課税の議論もEVを含む全車種が対象とされる方向で検討されています。
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一次情報・出典
| 出典 | 確認した内容 | 取得日 |
|---|---|---|
| taxlabor.com / ガソリン暫定税率廃止2025-2026 | 廃止日(2025年12月31日)・廃止前税額(53.8円/L)・廃止後税額(28.7円/L)・軽油廃止日(2026年4月1日)・2026年価格動向 | 2026-08-20 |
| gazoo.com / ガソリンが安くなったのはなぜ? | 廃止前後の税額内訳(揮発油税48.6円+地方揮発油税5.2円→24.3円+4.4円) | 2026-08-20 |
| kurashicostlab.com / ガソリン暫定税率廃止 | 消費税込み27.6円削減の計算・走行距離別節約額 | 2026-08-20 |
| h-bid.jp / 軽油暫定税率廃止2026 | 軽油引取税廃止前32.1円/L・廃止後15.0円/L・削減17.1円 | 2026-08-20 |
| 資源エネルギー庁 / 特設ページ | 暫定税率廃止の公式情報(403エラーのため本文取得不可・間接確認) | 2026-08-20 |
注記: 資源エネルギー庁の公式ページ(enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/zanteizeiritsu.html)は2026年8月20日時点でアクセス制限のため本文取得不可。数値は複数の信頼性の高い二次情報で相互確認済み。廃止後の店頭価格は原油価格・補助金政策によって変動するため、最新価格は資源エネルギー庁の石油製品価格調査を参照してください。