JAFのガス欠対応で、給油ランプが点いたとき知りたいのは「あと何km走れるか」「次のスタンドまで持つか」「呼んだらいくらか」の3つだ。この記事では、JAFが公表している距離と料金、メーカーが公表している警告灯の点灯残量、そこから編集部が計算した理論値を分けて並べる。ガス欠の費用はいずれも2024年4月1日改定後・2026年10月時点・税込で書く。
この記事の要点
- JAFが数字で公表しているのはけん引の距離と料金だけ。警告灯が点いてから走れる距離(km)は、JAFは数値を示していない
- けん引は会員が20kmまで無料(一般道・高速とも)。非会員は無料区間がなく、基本料・作業料に加えてけん引料が1kmごとに830円かかる
- 非会員・昼間・一般道のけん引は、10kmで36,000円〜、50kmで69,200円〜(編集部算出の下限目安。算出方法は本文)
- 次のガソリンスタンド(GS)までの距離が自車の理論距離に収まると言い切れないなら、一般道でも高速でもGSまで走り切ろうとせず、JAFを呼ぶ側に倒す
ガス欠の「距離」は3つあり、JAFが公表しているのはけん引の距離と料金だけだ
ガス欠の距離とは、警告灯後に走れる距離・次のGSまでの距離・けん引の距離の3つのことで、JAFが公表しているのはけん引の距離と料金だけです。残りの2つは、メーカーの点灯残量と、その場の地図で自分で確かめることになる。
| 知りたい距離 | 今、数字で言えること | 出典・条件 |
|---|---|---|
| 警告灯後に走れる距離 | JAFは点灯後の走行距離を公表していない。点灯する残量は一般に5〜10L(JAF)、車種ごとの値はメーカーの取扱説明書にある | JAF・各メーカー公式(下の「給油ランプの点灯残量」「N-BOX FFの理論距離」の章) |
| 次のGSまでの距離 | 東北道の下り線は岩手山SA以北にGSがない(NEXCO東日本)。路外給油の社会実験が令和7年(2025年)4月以降も継続中。100km超の空白区間の数は2016年時点の値 | 国土交通省・NEXCO東日本(下の「高速では燃料切れの構成比が…」の章) |
| けん引の距離 | 会員は20kmまで無料、超過は1kmごとに830円。非会員は無料区間がなく1kmごとに830円 | JAF公式・2024年4月1日改定後(下の「けん引になった場合」の章) |
燃料代は、会員・非会員とも実費でかかる。
走るか呼ぶかの結論: 次のGSまでの距離が自車の理論距離に収まると言い切れなければ、呼ぶ。判断の表は、下の「次のGSまでの距離が自車の理論距離に収まると言い切れないなら…」の章にある。
ガス欠後の通報の手順そのものは、姉妹記事のJAF ガス欠 費用にまとめている。
給油ランプの点灯残量は、掲載3車種で3.7〜6.4L、JAFは一般に5〜10Lとしており、点灯後の走行距離は数値が示されていない
JAFは「一般的に燃料残量警告灯は5〜10Lで点灯します」と案内している。一方で、点灯後に何km走れるかの数値はJAFのページにない。車種ごとの点灯残量は、メーカーの取扱説明書やQ&Aで確認できる。
| 車種(条件) | 点灯する燃料残量 | 出典 |
|---|---|---|
| JAFの一般的な説明 | 5〜10L | JAF |
| トヨタ プリウス(HEV)・2026年7月〜の取扱説明書(版番号3066) | 約6.4L以下 | トヨタ公式 |
| トヨタ ヤリス(HEV)・2026年2月〜の取扱書(版番号2603) | 約5.4L以下 | トヨタ公式 |
| ホンダ N-BOX・FF車 | およそ4.0L | Honda公式Q&A |
| ホンダ N-BOX・4WD車 | およそ3.7L | Honda公式Q&A |
同じ軽自動車でも駆動方式で値が違う。上の3車種の範囲(3.7〜6.4L)を全車の目安にはできないので、自分の車は取扱説明書の「警告灯がついたときは」の項で確認する。N-BOXの燃料タンク容量は、2027年版の取扱説明書で2WD車27L・4WD車25Lとされている。
N-BOX FFの理論距離は約76〜87kmだが、これは使い切った場合の上限で、走り切る前提で動くのは避けたい
走れる距離の目安は「点灯残量(L)×燃費(km/L)」で計算できる。N-BOX FF(WLTCモード燃費は市街地18.9・郊外23.4・高速道路21.8km/L、総合21.6km/L。ナビ・ETC2.0非装着時のメーカー公表値)を例に、点灯残量4.0Lをすべて使い切れた場合を計算すると次のとおり。
| N-BOX FFの例(編集部算出) | 燃費 | 理論距離 |
|---|---|---|
| 市街地モード | 18.9km/L | 75.6km |
| 総合(WLTC) | 21.6km/L | 86.4km |
| 高速道路モード | 21.8km/L | 87.2km |
これはN-BOX FFの例であり、他の車の閾値にはならない。実際の走行は速度・渋滞・エアコン・勾配で変わり、この値は「タンクの残りを使い切った理論上の上限」にすぎない。
自分の車で計算するときは、取扱説明書の点灯残量(L)に、燃費計に出ている最近の実燃費(km/L)を掛ける。取扱説明書に点灯残量の記載が見つからない車は、この記事の掲載値の最小3.7L(N-BOX 4WD)で計算する。JAFの一般値5〜10Lより少ない残量で点灯する車があり、5Lで計算すると走れる距離が多めに出るためだ。点灯後にすでに走った距離は、理論距離から引く。点灯した地点が分からなければ、呼ぶ側に倒す。
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| 「76kmは走れる」と、使い切る前提で次のGSまで走る | 次のGSまでの距離が、自車の理論距離に収まると言い切れる時だけ走る |
| 他の車の理論距離を、自分の車に当てはめる | 取扱説明書の点灯残量(無ければ3.7L)×実燃費で自車を計算する |
| ぎりぎりと分かっていて、走ってみる | 迷ったらGSまで走り切ろうとせず、呼ぶ側に倒す |
ガス欠を繰り返すと、燃料ポンプが空転して潤滑と冷却が失われ、故障を誘発する可能性がある(JAF)。直噴エンジンでは、インジェクター先端の潤滑が失われて傷める可能性もある。また、ガス欠後に給油しても、燃料のパイプラインが空のためスターターを多く回すことになり、スターターやバッテリーの負担が増える。使い切る運転はおすすめできない。
なお、パンクした後に走れる距離の考え方は、タイヤ パンク 走行可能 距離で扱っている。
高速では燃料切れの構成比が一般道の約5.7倍(2025年度)で、GS間が100km超の空白区間は2016年時点で存在した
JAFの2025年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)の救援データでは、燃料切れの構成比が高速道路で8.97%(5,705件・出動理由の2位)、一般道路で1.57%(35,175件・7位)だった(四輪・二輪合計)。
| 2025年度・四輪+二輪合計 | 燃料切れの件数 | 救援全体に占める構成比 | 順位 |
|---|---|---|---|
| 高速道路 | 5,705件 | 8.97% | 2位 |
| 一般道路 | 35,175件 | 1.57% | 7位 |
8.97%÷1.57%で約5.7倍(編集部算出)になるが、これは救援理由に占める割合の比であり、ガス欠の起こりやすさの倍率ではない。お盆(2025年8月9日〜18日)の高速道路では、燃料切れが215件(構成比6.98%・3位)だった。
GS間の距離については、国土交通省が平成28年(2016年)4月28日に公表した資料がある。以下は2016年時点の値で、最新の公表値は確認できていないなので、今の状態とは読まないでほしい。
- 高速道路上のGS間が100〜150kmの空白区間は61区間、150km超は16区間(平成28年4月1日現在・通常利用経路で算定)
- 全国の高速道路で1日あたり約40件のガス欠が発生(国土交通省 平成28年4月28日公表)
- GS間150km超の区間のガス欠率は、100km未満の区間の約1.8倍(平成28年4月現在)
今の状態として確かめられるのは次の2点だ。東北道の下り線は岩手山SA以北にGSがない(NEXCO東日本)。また、高速道路を出て近くのGSで給油し、1時間以内に再流入すれば連続走行と同額の料金になる社会実験(ETC車限定・指定ICは東北道十和田IC下り線のみ・磐越道新津IC上下線)が、令和7年(2025年)4月1日以降も継続されている。現金車は対象外だ。
高速道路で止まった場合、次のICまでの1区間分のロードサービス車両・後方警戒車両の通行料は会員は無料で、非会員は実費になる。ロードサービス車両で搬送する場合の次のIC以降の通行料は、会員でも実費だ。
けん引になった場合、会員は20kmまで無料で、非会員は10kmで36,000円〜・50kmで69,200円〜(基本料・作業料込みの下限目安)かかる
給油してもエンジンがかからずけん引になったときの費用は、距離で決まる部分が大きい。会員は一般道・高速とも20kmまで無料で、超過分は1kmごとに830円。非会員は無料区間がなく、基本料・作業料に加えて、けん引料が1kmごとに830円かかる。
表の数字の定義: 非会員の列は、昼間(8〜20時)・一般道で、JAFが例示する故障車けん引の料金「27,700円〜」(基本料・作業料を含む。けん引料830円/km別途)に、距離分の830円/kmを加えた編集部算出の下限目安。会員の列は、基本料無料・20kmまで無料・超過830円/kmで計算した。部品代・燃料代は別途かかる。
| けん引距離 | 非会員(昼間・一般道・下限目安) | 会員(一般道) |
|---|---|---|
| 10km | 36,000円〜 | 0円(20kmまで無料) |
| 20km | 44,300円〜 | 0円 |
| 30km | 52,600円〜 | 8,300円(20km超過の10km分) |
| 50km | 69,200円〜 | 24,900円(20km超過の30km分) |
他のサイトや別の記事で「基本料+けん引料」だけの金額を見ると、この表と一致しない。含まれる範囲が違うためだ。夜間・高速道路・SA/PA内で作業が完了する場合は、基本料そのものが別料金になる(たとえば非会員の基本料は一般道の夜間19,630円、高速A料金の昼間31,410円)。その料金はJAF レッカー 費用 夜間 高速でまとめている。
2024年3月までは、会員の無料けん引距離は15kmまで、超過は1kmごとに730円だった(旧料金)。古い記事では今もこの旧値が書かれていることがあるが、現行は20kmと830円/kmだ。
自動車保険のロードサービスのけん引距離は、契約ごとに違う。証券で確認し、JAFとの比較はロードサービス 費用 JAF 保険 比較を見てほしい。
けん引が無ければ費用は距離で変わらず、けん引になると非会員は距離に応じて、会員は20km超で増える
ガス欠の救援そのものの費用は、走った距離ではなく道路種別・時間帯・会員かどうかで決まる。会員は基本料が無料で、作業工数0.5まで無料。燃料代・部品代は会員でも実費だ。
非会員は基本料(一般道・昼間・8〜20時なら15,700円)がかかり、けん引になると、前の「けん引になった場合」の章の表のとおり距離に応じて加算される。
入会するかどうかは、費用の差を見て自分で決めればよい。個人会員の費用は次のとおり。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入会金 | 2,000円 |
| 年会費 | 4,000円 |
| 新規入会時に年会費の自動振替を登録した場合の初回継続時の年会費 | 3,500円(4,000円から500円引き。2回目以降は4,000円) |
燃料切れ給油作業の合計額の例や、道路種別×時間帯の費用表は、JAF ガス欠 費用に載せているので、ここでは繰り返さない。会員・非会員の費用構造が同じ他のトラブルは、JAF タイヤ交換 費用 非会員やJAF 鍵 閉じ込め 費用でも確認できる。
次のGSまでの距離が自車の理論距離に収まると言い切れないなら、一般道でも高速でもGSまで走り切ろうとせずJAFを呼ぶ
自車の理論距離は、前の「N-BOX FFの理論距離」の章の方法で出す。点灯残量(取扱説明書。無ければ3.7L)に実燃費を掛けた値で、点灯地点から数えた距離だ。点灯後に走った距離は引き、点灯地点が分からなければ呼ぶ側に倒す。これは使い切った場合の上限なので、収まると言い切れなければ呼ぶ。次のGSまでの距離は、地図アプリの経路距離で確かめる。高速道路ではSA/PAの案内標識や料金所の案内で確かめる。
| 道路 | 次のGSまでの距離が自車の理論距離に収まると言い切れる | 言い切れない(収まらない・分からない・迷う) |
|---|---|---|
| 一般道 | 走る。ただし急加速を避け、最寄りのGSへ向かう | GSまで走り切ろうとせず、JAFを呼ぶ。給油後に始動しなければけん引になる(「けん引になった場合」の章の表を参照) |
| 高速道路 | 走る。ただし次のGSが遠ければ、早めに出口で降りて一般道のGSを探す | GSまで走り切ろうとせず、走れるうちにSA・PAまで進んで止め、そこで呼ぶ(SA・PA内の救援は料金区分が変わる)。止まってしまった場合の手順は姉妹記事JAF ガス欠 費用。次のICまでの通行料は会員無料・非会員実費 |
「JAFを呼ぶ」の場合の費用は、会員は燃料代のみ、非会員は基本料と作業料に燃料代が加わる。自動車保険のロードサービスに入っている場合は、契約で確認する(比較はロードサービス 費用 JAF 保険 比較)。JAFの到着までの待ち時間の目安は、同じ救援でも案件で違うので、JAF バッテリー 交換 時間を参考にしてほしい。
高速道路で止まる場合の手順や、停止表示器材の扱いはJAF ガス欠 費用にある。
よくある質問
Q1. 非会員でけん引になったら、20kmでいくらかかりますか?
昼間・一般道で、44,300円〜が下限の目安だ(編集部算出。JAFが例示する故障車けん引の料金例27,700円〜(基本料・作業料込み)に、830円/km×20km=16,600円を加えた値)。会員なら20kmまでは無料。燃料代は会員・非会員とも実費でかかる。夜間・高速は基本料が変わるので、「けん引になった場合」の章の表の定義を確認してほしい。
Q2. 給油ランプが点いてから何km走れますか?
JAFは、点灯後の走行距離の数値を示していない。自分の車は「点灯残量(取扱説明書の値。無ければ掲載値の最小3.7L。JAFの一般値5〜10Lより少ない残量で点灯する車がある)×実燃費」で計算する。点灯後に走った距離は理論距離から引き、点灯地点が分からなければ呼ぶ側に倒す。N-BOX FF(点灯残量4.0L)の例では、WLTCの市街地・総合・高速道路モードで約76〜87kmだが、これは使い切った場合の理論上の上限(編集部算出)で、走り切れる保証ではない。
Q3. JAFのけん引は何kmまで無料ですか?
会員は20kmまで無料(一般道・高速とも)で、超過は1kmごとに830円。非会員にはけん引の無料区間がなく、1kmごとに830円が基本料・作業料に加わる。2024年3月までの会員の無料距離は15kmだった。
Q4. 高速道路では、次のガソリンスタンドまで何kmあることがありますか?
国土交通省が公表した2016年時点の値では、GS間が100〜150kmの区間が61、150km超が16あった(平成28年4月1日現在)。最新の公表値は確認できていないので、今の状態とは言えない。今言えるのは、東北道の下り線は岩手山SA以北にGSがないこと。走る前にSA/PAの案内標識や地図アプリで確認するのが確実だ。
Q5. 携行缶やガソリン配達を使うのと、JAFを呼ぶのは、どちらがよいですか?
高速道路ではGSまで走り切ろうとせず、走れるうちにSA・PAまで進んで止め、そこでJAFなどに連絡する。一般道では、次のGSが自車の理論距離に収まると言い切れなければJAFを呼ぶ。
どの方法でも、ガソリン代は実費だ。携行缶やガソリン配達の使い方・費用は、姉妹記事のJAF ガス欠 費用で整理している。
Q6. 自動車保険のロードサービスのけん引距離は何kmですか?
契約ごとに違うため、保険証券や保険会社の案内で確認してほしい。JAFと保険のロードサービスの違いは、ロードサービス 費用 JAF 保険 比較でまとめている。